3月11日に起きた東日本大震災は、私たちの生産基盤のすべてを破壊しました。大船渡湾の湾口防波堤は破壊され、細浦漁港は1mも地盤沈下しました。養殖施設は破壊され、船も流され、あるいは破損し、漁港に立ち並んでいた作業小屋も、わかめを湯通し塩蔵する加工施設もなくなりました。 しかし、私たちは力を合わせて瓦礫を撤去することから、再起に向けて動き始めました。そして8月、わずかに残された船で海に出てみると、津波を生き延びたわかめが漂っていました。そのめかぶから種を採取し、生産の再開にこぎつけました。震災1年後の2012年の春には、皆さんにおいしい末崎わかめをお届けすることができました。まだ課題はたくさんありますが、ふたたび海で働ける喜びをかみしめながら、前に進んでいます。