わかめの一生
2012-03-01
わかめは1年生の海藻です。
陸上の植物と同じように、胞子から成葉までの一生を1年のサイクルでくりかえします。
三陸地方に遅い春が訪れ、北浜の海水温が上昇し始めると、わかめの根元にある芽かぶ(成実葉)から胞子が飛び出し、海中に飛散します。
次の世代の命を生み出したわかめは次第に枯れ始め、その葉はちぎれて海に漂い、餌となってさまざまな魚の命をも養います。
暑さに弱いわかめの胞子は岩場などに付着したまま夏に入ると休眠し、海水温の下がる秋を待ちます。
やがて秋を迎え、海水温が下がり始めると、胞子は雄と雌の配偶体となって受精します。
この受精卵からわかめが発芽します。
冬を迎えると、わかめはさらに成長を続けます。
そして2月ごろ、より大きなわかめに成長するよう、私たち生産者は養殖縄にびっしりと生えた若いわかめを間引きします。
これを「早採りわかめ」といいます。
まだ細いうえにやわらかいこの時期の若いわかめは、カットわかめとして製品化されます。
近年は、それだけでなく、しゃぶしゃぶ用など生のまま売り出すようにもなってきました。
とうとうわかめは収穫期を迎えるのです。
この時期がわかめの旬。北浜にはわかめの収穫に向かう漁船が行き来し、収穫したわかめはその日のうちに湯通し、塩蔵するので、浜もにぎわいます。
塩蔵することでわかめの風味が保たれ、1年を通して食卓に乗せることができるのです。